ワット - コーヒーブレイク - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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第13回 ワット

ワット (1736~1819)

蒸気機関の発明者であるワットは、もともとが教育用器具を製作する職人であった。父はスコットランドの船大工で、海運関係の仕事も手広く営んでいたがワット十八歳のころ事業が不振に陥り、ワットは自活の道を探らねばならなくなった。そこで教育用器具製造者の道を選んだのである。
しかしその道も当初は険しく、ロンドン市民でなかったために彼は職人組合に資格すら貰うことができなかった。やっとのことで修行をつみ、ありついた職場がグラスゴー大学である。ここで彼は教授や学生の信望を得、しだいに協力者を増やしていった。そしてある日、当時としては花形であった大気圧機関の模型修理を頼まれ、機関に対する最初の興味を膨らませたのである。ワットがそのとき疑問として抱いたのは、大気圧機関の効率の悪さであった。修理だけで満足しなかった彼は、機関の原理から考えるにいたったのである。ここにワットのただの職人とは違う、いわゆる技術者としての性格が表れている。
ワットが学歴もなく職人の資格もなかったことは二重の不幸のようにも思えるが、かえって彼はどちらの先入観も持たずに、科学面、実用面の両方から機関を分析し新しい道を見つけることができた。それは近代技術者に欠かせない方法であり、その意味でワットは最初の近代技術者と呼ぶことができるであろう。