寺田寅彦 - コーヒーブレイク - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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第41回 寺田寅彦

寺田寅彦 (1878~1935)

「天災は忘れたころにやってくる」という有名な警句。これは地震のような確率統計的な現象は実用的予知が不可能であるとして、寺田寅彦が防災の重要性を説いたものである。この言葉にも現われているように、寅彦は気配りの優れたやさしい人物であった。
 寅彦は物理学者であったが物理学における統計的現象に興味を持ち、そのころまだ専門分野とは考えられていなかった地球物理学の日本における先駆者となった。また時系列解析の手法や模型実験によるシミュレーションの手法などを開拓した。
 しかし寺田寅彦を今日有名にさせているのはむしろ文筆家としての活動によるものであろう。旧制の五高に入学した彼はここで教師をしていた夏目漱石と出会う。東京帝国大学に進んだ後も、イギリス留学から帰って同じく帝大の講師となった漱石と再び出会い、以後頻繁に漱石の家に出入りするようになった。こうして文筆に親しむようになり、いわゆる科学随筆という新しいジャンルを確立した。 このような過程があって寅彦は精神面で漱石から多大の影響を受けた師と同じように、美を愛し真実を追求してやまない姿勢は周囲の人間や後輩たちから敬愛の念を持って迎えられた。しかし寅彦自身は不運であった。結婚運に恵まれず、妻を亡くし自身も病気がちであった。科学者でありながら、文学を通じて人生の洞察への興味を持ち続けたのにはそんなことも影響しているのかもしれない。