以前、下請け脱皮（ことば集31）で当社の直販姿勢を書いたことがあります。一方、すでに販売ルートを有する商社に販売を委託し、商社の営業マンを教育すれば、社内に営業部門がなくても一挙に営業マンと販売ルートを獲得することが出来ます。
当社も培養装置を開発した当初、全国ネットの理化学商社に培養装置の販売を委託したことがあります。立派なカタログの最も目を引く場所に、数ページに亘って当社の製品が収録され、その商社の全国の営業マンに何回かに亘って培養装置の説明をしました。
しかし、期待した成果は得られませんでした。彼らのお客様の中で培養をしているお客様は少ないので、培養装置にばかり注力できないのです。自然に彼らの営業アイテムから培養装置は希薄になっていきます。運良く、お客様にたどり着いても、説明が難しいのでその都度メーカーを呼ぶ事になります。それでは商社の役割はなく、お客様も商社の役割がないと商社経由で購入しようとしません。
直販に方針転換しました。幸い酸素センサーを直販していたので、細いながら、直販ルートがあったのです。その後現在の強力な直販ルートを構築するのに時間はかかりましたが、今では直接お客様のご要望を聞くことが出来、それに答えることで装置の機能向上を図れました。クレームも的確に受け取れ、すぐ対応することでお客様の信頼と品質向上につながりました。
商社販売の効率は、汎用品の場合は良いのですが、特殊な製品には向かないようです。