ライエル - コーヒーブレイク - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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第61回 ライエル

ライエル (1797~1875)

日本の各地には「だいだらぼう」などと呼ばれる巨人の伝説が残っている。海から遠い場所で貝の化石が大量に見つかったりすると、昔の人はとてつもない巨人がそこから海辺までひとまたぎに歩き、貝を取ってきて食べた跡だと考えた。長い間に起きた地形の変化で、かつてそこが海であったことには考えが及ばなかったのである。
 ヨーロッパではこのような地形の変化を引き起こす地質現象の理由を「ノアの洪水」のような天変地異にもとめていた。これに対し、岩石の風化や河川の滞積が長期間続いてゆくことで、一見途方もない現象を引き起こすと考えた学者もいた。この説が「斉一説」である。
 この「斉一説」の論拠を調査・観察によって裏付けようとしたのがチャールズ・ライエルであった。彼の師は「天変地異説」派の研究者だったが、ライエルは非日常的な天変地異で地質現象を説明するのは化学的な態度ではないと考え、対立。ヨーロッパ各地やアメリカを調査し、様々な地形の変化を観察して「地質原論」を著した。また地層に含まれている貝の化石から現存する種と絶滅した種の割合を調べることで、地質年代区分を提唱した。
 海が陸になるという変化のスピードはあまりに遅く、人の人生という短い時間では変化を認めることはできない。しかし一瞬の強い力より、長い間の積み重ねの方が結果的に大きな仕事をするのではないだろうか。ライエルの地道な調査がそれを物語っている。