タウンズ - コーヒーブレイク - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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第62回 タウンズ

タウンズ(1915~)

惑星間の距離の測定、網膜剥離の治療、光通信・・・・・・・・。これらは一見何の関連性もないように思えるが、実はすべて同じ研究の成果なのである。その基になったのが、レーザー技術の開発である。
 レーザーは電磁波の一種であるが、現在のレーザー技術につながる電磁化の研究をしていた研究者の一人に、チャールズ・タウンズがいた。タウンズは第二次世界大戦中から戦後にかけてアメリカのベル電話研究所に勤務し、レーダーの開発研究に従事していた。当時彼が研究していたレーダーには、マイクロ波が使われていた。マイクロ波は電磁波の中でも波長が短く、直進、反射しやすいという特長を持っており、一度に大量の情報を運ぶことができる。タウンズはより強力なマイクロ波を発信することに興味を持っていた。
 原子や分子の世界には「誘導放出」と呼ばれる現象がある。タウンズはこの現象を応用し、マイクロ波の増幅に成功した。マイクロ波を入射すると、同じ波長のマイクロ波が誘導される。これを連続して行うと、増幅されて強くなってゆく。この方式は「メーザー」と名付けられ、タウンズはこの研究で1964年にノーベル物理学賞を得ている。
 6年後メーザーよりも強い電磁波「レーザー」が誕生した。「メーザー」は忘れられてしまったが、レーザーへの道を切り開いたのは彼の研究であった。より狭い範囲に強い力を集中させようとして生まれた技術が、今や非常に広い範囲に利用されているのである。