ウィーナー - コーヒーブレイク - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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第18回 ウィーナー

ウィーナー (1894~1964)

ノバート・ウィーナーは神童であった。ハーバード大学の言語学の教授であった父によって、幼い頃から特別の教育を受け、わずか11歳でカレッジに入学、14歳で大学院へ進み18歳で数理哲学の博士号を得た。しかしそのウィーナーが、通信と制御の学問を「サイバネティクス」と名付け、その名が広く世界に知られるようになったのは遅く、1947年、53歳になってからである。神童であったはずのウィーナーが、なぜそのように学者として遅咲きであったのかは、彼がユダヤ人であったことと二度の大戦を人生において経験したことによる。ナチの台頭によるユダヤ人排斥の風潮のなかで、ヨーロッパ留学も転々と地を変えねばならず、帰国しても定職がなく見習工や百科事典の編集、新聞記者などをして喰いつなぐ日々がしばらく続いた。そうしたなかで、軍の弾道計算の仕事に従事することになる。このときの自動制御に関する研究が、のちのサイバネティクスという考えへ進むきっかけとなったのである。
 またオートメーション(自動制御)というのは生物の神経繊維の働きにつながっていることから、ウィーナーは神経生理学、生物学、数学、電子工学など多方面の分野をひとつにまとめる必要性を感じた。彼が学際的な研究の共通語として「サイバネティクス」を提唱した背景には、長い遍歴のなかで培った、異分野の学者との親交が大いに役立っているのである。