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第24回 アーベル

アーベル (1802~1829)

溢れんばかりの才能に恵まれながら、運命に冷たく見離されてしまう人間がいる。26歳の若さで亡くなった数学者アーベルも、そんな薄幸の天才の一人である。二ールス・アーベルは1802年、ノルウェーの寒村で牧師の子として住まれた。少年時代はしごく平凡な生徒であったが、16歳の時に出会った新任の数学教師によって、天賦の才を目覚めさせられた。すすめられるまま当時の数学者の著書を片っ端から読破すると、アーベルはやがて自分で未解決の問題に取り組むようになった。そして1823年、それまで3百年間も解かれたことのなかった五次方程式の解について、その代数解の不可能なことを証明するまでになったのである。
 アーベルは自信を持ちこれを各国の数学の大家に送った。なかでもガウスからの高い評価を期待しての事だったが、返事はついに得られなかった。一時は大いに落胆したもののアーベルは再び奮起し、3年後、「だ円関数」についての論文をまとめあげた。そして今度はフランス学士院へ提出した。しかしここでもまた運命がいたずらをする。この論文を審査員が家へ待ち帰ったまま忘れさられてしまったのである。
 こうして薄幸の天才アーベルの名は、生前にはついに一度も世に出ることはなかった。アーベルは肺結核に倒れ、彼の論文が審査員の家から挨まみれで発見されたのは、死後一年も経ってからのことであった。