エイブル・バイオット株式会社

平成16年 6月石川 陽一
査定

 例年のことですが6月に給料改訂のための査定をしました。まず上司が面接のうえ査定し、さらにその所属長が査定し、点数化します。その後所属長が査定会議を行い、私が最終査定を行います。私は査定会議の決定を尊重しますが、後に述べる期待値を査定して加えます。査定会議の内容は
1.全体に甘い所属長と辛い所属長がいると公平ではないで、その間のバイアスを調整する。
2.所属長は被査定者の能力、態度、実績等査定の根拠を説明し、時には他の所属長から異なった評価が出されるので、評点を調整する。
3.査定に際し行った面接内容を紹介し、被査定者の目標、適性や性格、繁忙の状況等を確認し、指導法や改善法を討議し、実行する。
4.昇進、降格、異動等を推薦し討議する。
等です。
 査定には能力、実績、態度のほか期待値が加味されます。能力・実績の評価は時間当たりの付加価値(仕事率)を期待される仕事率との比較で考えます。すなわち
仕事率=作り出した付加価値/要した時間・・・(1)
作り出した付加価値=仕事量×質・・・(2)
で高所得者ほど高い仕事率が要求されます。仕事の効率が悪かったり、能力不足のために設計のやり直しや作り直しをして、余計な費用や時間を費やし、それで残業すれば(1)式の要した時間が多くなるので仕事率は小さくなります。サービス残業をしろとは言いませんが、給料は期待される能力に対して支払われているのであり、期待される能力が発揮されなかったり、迷惑をかけた分は自己責任でカバーするのが当然であり、プロとしての責任と誇りを持って行動してもらいたいと思います。殆どの社員はその自覚があるのですが、残念ながら時間だけいれば給料をもらえるという行動をしている社員がいます。当社では残業は自己申告制で、余程のことがないと上司は申告された通りに承認し、そのまま残業手当が支給されます。残業の申告の仕方には個性が表れます。仕事の付加価値や時間の効率を考えずに会社にいた時間を申告する人と仕事の内容や付加価値を考えて少なく申告する人がいるので、上記の仕事率で査定をしないと公平になりません。
 査定には期待値も考慮すると書きましたが、新入社員に実績を期待してもかわいそうで、実績がなくても3年程度は将来を期待して評点を上乗せしますが、年月が経つほど少なくなります。中途採用でも同じですが、即戦力を期待しているので2年後には期待値評点はなくなると考えてください。
 産業界は実力主義、実績主義が主流になり、年功序列が排除される傾向があります。当社も基本的には同様ですが、私は昔から当社を支えてきてくれた人があって今があるのであり、年功序列、過去の実績、愛社精神等も無視すべきではないと思います。これらも期待値と呼ぶことにします。これは過去に活躍してくれたから今年も活躍してくれるだろうという期待に基づきます。先に述べた新入社員の期待値とは実績に基づくところが違いますが期待値である事は同じです。従って
総合評点=仕事率+期待値・・・(3)
となります。ただ過去の実績に基づく評価は年々薄れていくので、年々実績を積み重ねなければ、期待値が小さくなるのはいうまでもありません。技術は陳腐化するのでベテランと言えども技術の習得は怠れませんし、新入社員の方が部分的には技術に長けている場合も多いので、ベテランは他人の技術を活かしながら自らの存在意義を作り出していく必要があります。ベテランに期待するのは会社を取り巻く環境を熟知して適切な判断、指導や企画をしてもらうことです。
 査定は公平でなければやる気がなくなります。自己評価と異なった評価がされるケースもあり、給料が下がるケースもあります。本人がそれを納得し、励みにしてもらわないといけません。給料を下げられるのは悔しいし、生活も困ります。しかし公平のため下げなければならないと判断する人もその家族の事を考えると心が痛むのであり、その苦しさも考えてください。現在の査定法が最良ではありませんが、社員がやる気になり、それが業績や評価に反映する方法を作り、運営をする必要があります。みなさんの忌憚のないご意見をお寄せ下さい。